大物が捕食するタイミングは月齢に支配されている!「いつ釣れるか!」に迫る究極の時刻表「大漁時刻表」の紹介。シラガウニの販売も

枝本博人屋久島クチジロ石鯛枝本博人屋久島クチジロ石鯛2枝本博人屋久島クチジロ石鯛3枝本博人屋久島クチジロ石鯛4枝本博人屋久島クチジロ石鯛5枝本博人屋久島クチジロ石鯛6 読者の実釣報告

大漁時刻表web版石鯛餌通販

 

屋久島 前篇

2007年6月 執筆

宝庫 湯瀬(デン島)

湯瀬は国土地理院の海図では正式名はデン島という。薩南諸島硫黄島と黒島の間に位置し大きな岩石のみの島3ツとハナレで構成されている。釣り人に一番人気の釣場は真中の通称エボシである。潮の流れが厳しく大潮の日には潮の満ち、引きは激流となり島と島の間を流れる。仕掛けが底に着かず、釣り難いのが難点であるが潮通しが良い為、大型回遊魚から根魚アラ、大型石垣鯛、尾長めじななど魚影が濃く釣魚の宝庫となっている。

 

巨大な魚の群れに遭遇

この3ツの島と島の間、狭い海峡いっぱいの大型回遊魚の大群に遭遇した時はさすがに圧倒されて竿を出す事もできず呆然と大群の通りすぎる雄大な光景を眺めるだけであった。1匹の大きさはゆうに1mオ-バ-の10~20Kgでもっと大型も数匹確認出来た。・・・とにかく巨大なヒラアジ数百匹の群れである。この群れは私達釣人を無視して約30分程度付近をゆっくりリ-ダ-に従い、一方方向に行ったり来たりして泳ぎ回りいつのまにかどこかに消えて行ってしまった。
このような凄い大群との出会いは後にも先にもこの湯瀬1回きりの体験であった。
離島の釣りに永く通い続けていればいろいろな出来事に遭遇するものだ。屋久島湯泊大瀬では何時もの様に大型口白石鯛を夢みて一生懸命集中している時の出来事であった。勝負時合の少し前、撒餌を兼ねてせっせと新しい餌の仕掛けを打ち返して竿掛けにセット、置いたその時竿の先30m前方に突如、大きな物体が水面近くまで浮上した!一瞬「潜水艦・・・!」と思った程の巨大な物体であった。釣りどころでは無い立ち上がって良く観察すれば全長20mはゆうにある。
背ビレが水面に浮上した。とんでもない大きいマダラ模様の濃い緑色の大きな物体はゆっくり私の釣場の前を泳ぎ回りいつのまにかどこかに移動していった。
後日、魚類図鑑にて正体はジンベイサメと判明した。
離島の釣りではこの様に珍しい魚との出会いや遭遇があるから楽しい。

 

湯瀬での石鯛の狙いタナとポイント

始めて石鯛釣りにエボシ(真中の島)に渡礁した時ポイントが解からず先人がピトンを打ち込んだ跡を探し回り東側の海峡のカベ横をまずは陣取った。噂に聞いていた湯瀬での第1投は夢を膨らませ20号のオモリ仕掛けを振り込んで見た。・・・が流れが激しく底に着かずドンドン50mも流されてしまう。あげくの果ては根掛かりで仕掛けを切る。オモリを2個セットして40号にしても同じその連続となる。準備して来た仕掛けはドンドン底を着いてきた。そうなれば釣りどころではない。
後方西側向きの釣場では潮の流れの溜り場で釣り易く根掛かりも少なくすでに2枚の良型石鯛と3枚のイシガキ鯛を釣り上げて楽しんでいた。自分の釣場と比べれば「天国と地獄」である。始めての釣場で狙うポイントが解からないのでじっくり他の釣り人の釣り場を観察させてもらう事にした。「今日は瀬の勉強だ!次回が勝負だ!」そう思えば楽になった。
今日の湯瀬での石鯛釣りは総勢14名。西側の瀬に5名、東側の瀬に2名残り私を含め7名が真中のエボシに乗った。暗い内にエボシに渡礁した7名は西側海峡側に5名がさっさとピトンを打込んだ為残された私達2名は東側しかなかった。明るくなって釣座が何処にあるか・・・又、次回の為にどこが釣り易いかを確認させてもらった。午前8時西側5名とも石鯛を釣り上げ東側2名はボ-ズ!しかも満足な釣りが出来ず口惜しい思いであった。
午前9時潮の流れはさらに激しく右から左手に渦をつくりながら流れ出す。もうヤル気がなくなった!仕掛けをあげるたびに根掛かりは続き!いよいよ予備仕掛け数個になった。逆にオモリ20号1個に替えて底まで落とさず8mのタナにシラガウニ丸掛け2個で置き竿にした。潮に押され道糸はななめ左に極端に曲がった状態で途中のタナにひっかかり落ち着いた。午前10時をまわった頃弁当と冷えたビ-ルをク-ラ-から出し少し早い昼食を始めた。冷たいビ-ルをグ-ッと1口飲み込んだ「ア-ッ美味しい!」と思った時竿に目をやると「竿が無い!」
ビックリ!弁当を放り投げ釣座まで走った。ピトンは倒され竿は尻手ロ-プごと海中に突き刺さっている。慌ててロ-プを掴み綱引きである。魚と一直線の為リ-ルからは「ジ-ジ-」道糸が滑って出ている。竿を起こし巻き込み開始。やっと浮かせた魚は湯瀬レギュラ-サイズの元気の良いイシガキ鯛であった。まわりがたくさん釣り上げている時のボ-ズは本当に口惜しいものだがどんな釣り方でも1枚確保出来たら落ち着くもの。激しい潮の中、狙うタナが解かったお蔭で20分後に同じクラスをさらに1枚追加。私の右手で苦戦していた釣人にもタナを浅く狙うようにアドバイスした!回収間際に彼も同じクラスを1枚捕獲できて非常に喜んで貰えた。私の始めての湯瀬釣行は大きな収穫を得て無事終える事が出来た。


待望の湯瀬1泊2日釣行

湯瀬には何回も釣行したが人気ポイントのエボシには仕事柄なかなか渡礁する機会が無かった。そんな中、1泊2日で釣行した時久し振りにエボシが貰えた。始めて渡礁してから5年振りである。湯瀬に年間3~4回は釣行を重ねるが私は西側の磯に乗る事が常であった。
この時ばかりは本音で嬉しかった。本日、まる1日と明日の早朝、石鯛がタップリ狙える事を考えるとやる気バンバンで、瀬上がり出来た嬉しさをしっかり覚えている。
午前3時、暗い内に瀬上がりした。私は夜釣りと上物釣りはまったくしない。石鯛のみの釣りである。この日は八女の今里さんから弧礁(準)に変わる新製品炎舞の試作品B(現在の炎舞より非常に強い、口白石鯛15kg対応のテスト竿で世の中でこの試作品1本の竿)を使わせてもらう。午前4時すぎシブ鯛狙いの鈴木さんの竿が大きく締め込みやり取りを始めた。湯瀬はやはり凄い!石鯛竿が強烈にまがりやっと浮かせた魚体は1mを越す15Kgクラスのアラであった。アラは海面に浮かせたが玉アミもギャフも誰も準備していない。鈴木さんからヘルプ要請なので自分が瀬際より取り込む事とする。鈴木さんにハリスが何号なのか確認し「ハリス10号!」との事。切れたら御免!とタオル1枚持って瀬際まで降りて行き波に乗せ一気に瀬の上まで巨体を引き摺りあげた。無事捕獲!・・・瀬の上でアラが跳ねた時10号ハリスはいとも簡単に切れた。鈴木さんは喜んで最大のお土産アラを大型ク-ラ-の中に綺麗に収められた。
さあいよいよ石鯛釣り戦闘開始である。ところが、一番釣り易く今回狙っていたポイントはアラ捕り込み最中に鹿児島の釣り人に先を越され竿掛けピトンを打ち込まれていた。 残念無念!だけど前回、瀬の形、地形はしっかり見ていたのでおおまかなポイントと攻める場所は決めていた。慌てず岩を10mほどよじ登り、注意しながら隣の岩に移りそこから7~8m降りた所に平らになった釣場があった。そこはエボシの一番奥で水深は浅いが潮のヨドム場所であった。結果的には撒餌も溜りこの日、1番釣り易いポイントとなった。ただ釣道具運びに3~4回岩の昇り降りに体力を消耗したのは事実であった。
人よりも1時間遅れでの戦闘開始。この釣場から見ればエボシの釣人ほぼ全員と西ノ島の釣人全員の動きが一目瞭然に見られる場所であった。潮の緩い内は私の狙っていたポイントに入っていた釣人2名が続けさまに3枚ものイシガキ鯛を釣り上げた。少しあせりを感じていたが石鯛のアタリはあるので我慢の釣りで新しい餌の打ち返しを続けていった。目の前の二人が4枚目を掛けてオオバラシをしてからは今度は私の場所が忙しくなった。連続4枚、続けざまに竿に乗ってきた。
10時までに3枚追加のイシガキ鯛7枚!他の釣り人は撒餌をしないし又ウニ殻を撒いても流れがきつく流されてしまう。私の選んだポイントは潮が目の前を激しく流れるが瀬際は澱みが出来る。その上、私の撒き餌は半端ではない。
午前中は撒餌をコマメに続けた結果石鯛が竿下に集まっただけの事であった。
私の釣りの中で撒餌の効果というものはこの場所で立証できた。
そして午前11時前の潮が緩み出した時、いつもと違うアタリが出るがなかなか走らない。竿先を海面近くまで送り、少し30cm程度誘いあげたら勢い良く竿に乗って来た。大きく合せを入れ元竿に強烈な力が伝わり私はバランスを崩し、足を滑らせ尻餅を着いた状態で2mぐらい下まで落ちた。幸いアラ釣りのピトンの跡に尻当てが引っかかり海に落ちるのは防げたが両足は宙を浮いた状態で魚とのやり取りを続けた。片手ではい上がりやっと体制を整え石鯛とのかけひきに入りやっとの思いで浮かせた魚は石鯛であった。8枚目の石鯛は推定60cm4kgクラスであった。苦労して捕獲した大型石鯛を大事に濡れタオルにくるみク-ラ-の置いてある7m上の岩場まで石鯛で両手が塞がった状態ではい上がるのがたいへんであった。
やっとの思いでク-ラ-置き場に昇り詰め最後にク-ラ-のフタを開ける時悲劇は起こった。金具を外す時石鯛を静かに岩に置いたのが間違い!石鯛は暴れて7mの落差を岩にアタリながら海にドボン!まわりの釣り人から拍手喝采を受けて湯瀬釣行が終った。

 

釣り人のマナ-の悪さ

私の場合は夜釣りはまったくしない。「夜は夜遊びをせずにおとなしく寝るものである。」と亡くなった両親から教わったもの。この湯瀬1泊2日釣行の夕方、他の釣人は夜釣りの準備に入った頃私は夕食を済ませ寝床確保に動いた時の事だ。エボシでは10mほど岩を登りつめた所に平らな大きな岩穴がある。そこを寝床とおもい寝袋とシ-トを持って上がって行った。そこにシ-トを広げ寝袋を準備して横になる。サア-寝ようとした時何かいやな臭いがする。起き上がって確認すると有るは有るいたるところにチリ紙と用足しの後が無数に散乱している。公衆便所より酷い状態である。海面から10m以上の高い場所に用を足しても波がはいあがるはずが無い。
後から来た釣人の為にも釣場は綺麗にして貰いたい。生理現象は避けられないものだからその場合は新聞紙を持参して行き新聞紙を広げ用を済ませ包んで海へ投げ入れて欲しい。場所を汚す事もない。釣り人のマナ-の悪さを少しでも改めたい。

 

ページトップへ